大石内科クリニックでは臨床工学技士9名在籍し、主に透析室で各業務を行っています。
臨床工学技士とは
医師の具体的な指示を受け、診療の補助として厚生労働省令で定めた生命維持管理装置の操作(生命維持管理装置の最先端の身体への接続または身体から除去であって政令で定めたものを含む)及び保守点検を行う。
「生命維持管理装置」とは、人の呼吸、循環、代謝の機能を一部、代替・補助をすることが目的とされている装置。
当院の臨床工学技士業務
透析室での患者入室前準備、治療前、治療中、治療終了操作、治療後の透析装置点検などの日常業務のほか、透析液のエンドトキシン・生菌測定、透析装置の定期的なメンテナンス、透析周辺機器の点検など安定的に透析治療が出来るよう日々の乗務を行っています。
透析液の生菌検査
設備の案内
多用途透析用監視装置 DCS-200Si:2台、DCS-100NX:68台、DCG-03:1台
個人用多用途透析装置 DBB-100NX:2台
全ての透析監視装置でオンライン血液透析濾過(OHDF)対応となっています。
個人用透析患者監視装置では酢酸フリー透析も行っています。
機械室

(右からRO装置、透析液作成装置、透析液供給装置)
透析では水を大量に使用する為、原水(一般的には水道水、当院では井戸水を使用)を透析治療で使用できる水に作成する装置や、治療に用いる透析液を作成する装置があります。
血液透析に使用する透析液は、濃い透析液をきれいな水で薄めて使用しています。通常、透析液は1人に1回120〜150Lを必要とします。このようにして作成された透析液は正常な血液に近い濃度の電解質を含んでおり、主に次の成分からなります。
ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、クロール、炭酸水素(重炭酸)、ブドウ糖
慢性腎臓病では、血液中のカリウム、マグネシウム、リン濃度が高くなり、カルシウム、重炭酸濃度が低くなってきます。通常、透析液では血液よりカリウム、マグネシウム濃度を低くし、リンは含まなくすることでこれらを血液から除去し、カルシウム、重炭酸濃度を高くすることで血液に補給しています。
井水処理装置
災害時に備えて地下水を掘削し、停電により市水の供給が停止しても安定的に透析治療が行えるようになっています。
原水槽→ポンプ槽→濾過塔→活性炭塔→UF膜→塩素濃度計の順番に地下水を濾過させ生活用水・機械室へと供給しています。

PVDF-BCFシステム (下図 白い配管)
機械室で作成した透析液を各透析装置へ送水するとき、@デットスペースA屈曲B分岐C接続部の段差などにより汚染されてしまう恐れがある。そのため、各透析装置へ清潔に送水するためシステムを採用しました。
PVDF:添加物を含まない高純度フッ素樹脂
BCF :接続に段差のない溶着工法
この組み合わせにより、配管素材からの溶出及び接続部での微生物付着・増殖の問題を低減するシステムとなっています。


透析液作成装置 DAD-50NX(日機装社製)
RO装置で作成した水を使用し、透析液の元とになるA液(電解質)とB液(炭酸水素Na)を作成する。



DAD-50NX内部
白い半透明なボトルに粉末がはいっており、下の台が流れて一つ一つ溶かして透析液を作成している。 (動作が師長曰く回転寿司のレーン) 1ボトル約1リットルの透析液が作成出来る。
透析液供給装置 DAB-NX(日機装社製)
透析液作成装置で作成したA液・B液とRO装置で作成したRO水を適正な濃度に混合し各透析用監視装置へ供給する。

DAB-NX
多用途透析用監視装置 DCS-100NX(日機装社製)
患者様のベッドサイドにある装置で、透析液・血流量・除水量・透析液の温度・抗凝固剤の注入量などを監視する装置。

DCS-100NX
個人用多用途透析装置 DBB-100NX(日機装社製)
透析監視装置の機能と透析液調整機能を合わせ持ち、患者様に合った処方透析などに対応できる装置 |