トップページ > 学会見聞録 > 第62回日本透析医学会学術集会・総会 運動部活動の有無は血液透析患者

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 厚生労働省による国民健康調査結果から運動習慣者の割合は、高年期より壮中年期の者が減少傾向であることから、両者を比較できるよう、当院の外来血液透析患者の中でアンケート聴取可能な患者183名を、壮中年期の者89名と高年期の者94名に分けています。

 以下の質問の項目である、学生時代の運動部活動について、運動の定義に関係なく、何らかの運動を自覚的にしているかどうか、1回30分以上、週2回以上を1年以上継続している運動習慣者であるかどうか、自分の体力の自信があるかどうかについて聞き取り調査を行いました。

 結果です。学生時代の運動部活動の有無についてです。壮年期の運動部活動経験者は約7割が経験者であり、高年期は約5割が経験者であり、壮中年期の方が高年期より約2割多いことがわかりました。

運動部活動の種類についてです。男性は、壮中年期・高年期ともに野球が最も多く、女性は壮年期ではテニス、高年期ではバレーボールが最も多い結果になっています。
 次に、学生時代の運動部活動の有無について、性別で分けてみると壮中年期の部活動経験者は、男性78.6%、女性42.1%、高年期は男性63.2%、女性35.1%と両者どちらも男性の方が女性よりも多い結果となっています。

 自覚的な運動についてです。何らかの運動をしていると自覚している者を自覚的運動者とし、運動していると答えている者は壮中年期では運動部活動経験者で61.9%、未経験者で53.8%と経験者の方が8.1%多くみられています。高年期では経験者で77.6%、未経験者で68.9%と経験者の方が8.7%多く見られていますが、両者ともに有意差はなく、高年期の者の方がどちらも自覚的な運動をしている者が多く見られています。

 また、その自覚的に運動している者の中で、1回30分以上で週2回以上を1年以上継続している運動習慣者は、壮年期では運動部活動経験者で66.7%、未経験者で64.3%、高年期では経験者で39.5%、未経験者で29.0%であり、両者ともに経験者と未経験者では有意差はありませんでした。しかし、壮中年期の者に比べ、高年期の者は自覚的な運動をしている者は多いが、運動習慣者は3割弱と有意に少ない結果となっています。

 自分の体力についての自信の有無になります。自信が有る、またはどちらかといえば自信が有ると答えている者は、壮年期の運動部活動経験者では自信がある者が11.1%、どちらかといえば自信がある者が20.6%であり、合わせて31.7%、未経験者では自信がある者が3.8%、どちらかと言えば自信が有る者はおらず、合わせて3.8%と経験者の方が、χ二乗検定の結果、有意に多いことがわかりました。高年期では経験者で26.5%、未経験者で28.9%と2.4%未経験者の方が多いものの、有意差はありませんでした。壮年期では運動部活動経験者が未経験者よりも有意に自信が有ると答えている者が多いが、高年期では有意差がないことから、経験者も高齢になるにつれて足腰の弱さや体力の低下を感じることで、自信の喪失につながり、有意差がなくなっている可能性が考えられる。








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